農薬散布用ドローンを使用するメリットとは？

手作業での農薬散布は労力と手間がかかるため、これまでは農業での農薬散布は無人ヘリコプターを使って行われることが一般的でした。無人ヘリコプターは高額で個人で所有することが難しいため、多くの農家が無人ヘリコプターを外注し農薬散布を行ってきました。

ドローンは無人ヘリコプターと比較して費用を抑えられる点がメリットです。さらに、操縦の難易度も低く、天候や作物の成長に合わせて効率的に農薬散布をすることが可能となりました。この結果、農薬散布に費やしていた費用や時間が大幅に削減され、他の作業に回ることができ、効率的に業務ができるようになったのです。

農薬散布用ドローンの規制が緩和された背景

2000年頃から民間でもドローンは利用されるようになり、現在は農薬散布、空撮など様々なシーンで導入されています。しかし、民間利用が開始されたときはドローンの普及が思うように進まなかったといわれています。それは、農林水産省の「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」に従う必要があったからです。

この指針には、農林水産航空協会が発行する農薬散布オペレータードローンのライセンス取得や定期点検など、細かい規定が含まれており、ドローン操縦者の他に補助者を配置するなどの必要項目もいくつかありました。しかし、政府はドローンを農薬散布に積極的に活用するために、2019年7月にこの指針を廃止しました。

農薬散布用ドローンの規制緩和による影響

指針が廃止されたことで、ライセンスの取得や指定業者による定期点検が不要となり、「無人マルチローターによる農薬の空中散布に係る安全ガイドライン」が制定されました。

これにより、ドローンが持つインテリジェント機能が使用可能になりました。高度な位置捕捉やフェイルセーフ、衝突防止センサー、ジオフェンス、AB地点登録、エリア指定散布、ピンポイント散布などの便利な機能を活用できるようになったのです。

これらの機能の活用により、今後は農薬散布だけでなく、追肥や除草などの作業も統合できる可能性があります。

また、ドローン用農薬は、地上散布用とは希釈倍率が異なりますので、これまでは作物残留試験を行う必要がありました。規制緩和により、農薬メーカーが既存の地上散布用農薬をドローン用農薬の濃度に見直す変更登録申請を行うことで、作物残留試験が不要となりました。そのため、今後はドローンで空中散布ができる農薬の種類が増えていくと予想されます。

さらに、農薬散布用ドローンの使用には「農林水産航空協会」が指定した講習施設で講習を受けた後、技能認定を受ける必要がありました。現在は、この技能検定を受けるかどうかは任意となっています。

農薬散布用ドローンの規制緩和により、農業分野でのドローン活用がさらに拡大することが期待されています。農業の効率化を図るためにドローンを導入したいのでしたら、まずはドローン講習を受けて基礎知識と技術を身につけることが大切です。ドローン講習を受けたい方はお気軽にUn Bois Sky Techへご相談ください。